モルヒネへの理解を進めて
ニュースキャスターの久和ひとみさんの訃報は本当に突然だった。ワイドショーや週刊誌に、その最期の闘病の姿が取り上げられているが、モルヒネという優れた痛み止めに対する誤解を助長しているようで気になった。
私もがんの体験者なので、末期のがんの痛みに恐怖し、「壮絶ながん死」という表現に敏感になる。でも、昨秋、患者グループ主催の麻酔科医の講演会「がんの痛みはどこまでとれる?」に参加し、実は末期がんであっても痛みのコントロールは相当可能であるということが分かって、かなり気持ちが軽くなっている。WHO(世界保険機関)方式の疼痛治療法によれば、末期だけでなく、痛みの段階に応じてモルヒネを使うことで、患者は痛みから解放され、今まで通りの日常生活を送ることもできるという。
日本でもがん疼痛治療ガイドラインの専門書が発行されている。これを読む限り、大部分の痛みは取り除くことが可能だと、患者である私は理解した。患者にとって何が必要かを考え、きちんと分かるように説明できて、本人の意思を尊重する、そういう医師に出会いたいと思っている。(中澤幾子)